Facebook COO シェリル・サンドバーグの説く3つの「すべきこと」 セミナー&カンファレンス Tweet 7月2日、グローバル・ウーマン・リーダーズ・サミットに行ってきました。Facebook COOのシェリル・サンドバーグ氏とDeNA創業者の南場智子氏の登壇ということで、かなり楽しみに出かけました。(招待枠をお分けくださった日経さん、ありがとうございました!)あまりに素晴らしい内容だったので、印象に残った部分をまとめ、みなさんにも感動のおすそ分けをしたいと思います。 世界は男性によって支配されている いきなり「世界は男性によって支配されています。」というショッキングな出だしで始まったシェリルのスピーチ。常に笑顔を絶やさず話す柔和な雰囲気ながらも、彼女のメッセージがとてもストレートに伝わってきました。「上場企業のトップの95%は男性。日本においては女性トップによって経営されている企業は1%にも満たないのです。」 彼女の本”Lean In”でも感じたとおり、さすがFacebook COO、常にデータのバックアップ付きで話に説得力があります。この男性がトップに立つ傾向は日本だけではなく、程度の差こそあれ世界のどこにおいても同じように問題だということ。まさにそれを変えるために、彼女は本を書き、ここで講演をしているのです。そのために彼女が提唱した「すべきこと」は以下の3つ。(ここからシェリルの話を要約します。記憶に基づいているため、完全ではありませんが。) 1. 女はこうあるべきだ、というステレオタイプを壊すこと 男性はリーダーであり、女性は面倒をみて周囲に尽くす。それが一般に信じられている、それぞれの性の役割。そんな思い込みから、男性は自分を過大評価し女性は自分を過小評価することになるのです。 例えば、男性は転職の際、少しでも基準を満たしていれば応募する。一方で女性は、100%応募資格を満たしていないと応募しない。これは結果に大きな違いを及ぼします。例えば、男性は成功したら、『自分がデキルから』と答える。一方で女性は『私は運がよかっただけ。周囲の助けがあったから。』などと言う。でもせっかくの実績を『運が良かっただけ』と片付けてしまったら自信なんてつきませんよね。 女性のリーダーを批判する言葉のほとんどは、「アグレッシブすぎる」とか、男性がリーダーの場合には耳にしないことばかり。成功している女性は敬遠される一方で、成功している男性は周囲から応援されるのです。 2. 企業の制度を変えること 男女の給与差は日本においては29%、韓国においてはなんと39%もの開きがあります。まずは、給与水準を男女ともに平等にすることが重要です。 また、日本では特に深刻と言われる勤務時間の長さも問題です。朝から晩までオフィスで働くことを求められるのは子供を持つ母親に取っては厳しい状況です。実際、私自身も子供ができてから早く退社するようになりました。周囲にばれないように椅子に毎日違うジャケットをかけオフィスにいるフリをしながら、車にコソコソと駆け込んで帰宅していました。結果、子供ができるまでは時間を短縮するなんててんで不可能と思い込んでいたのに反し、仕事はそれでも何とかなったのです。 また、男性が女性と働くことを自然に捉えられる環境をつくる必要があります。女性が同僚として隣に居ること、女性の上司がいること、それを普通に受け入れられるようにならなくてはならないのです。 3. 家庭での平等 家庭での平等がなければ仕事での平等はありません。いくらアベノミクスなどと言っても、夫も家事育児をし家庭での平等がないと、未来は何も変わりません。日本の女性は男性の5倍もの家事をしています。そもそも、「家庭の仕事の両立」なんて女性にしか尋ねない質問です。なぜそれを男性には聞かないのでしょうか?その質問自体が女性の自信を奪うのです。 もしも、何も恐れるものがなかったとしたら、みなさんは何をしますか?どんなふうに「Lean In」して生きていきますか?ぜひ、info@leanin.orgにあなたの考えをメールください。 無意識下の差別 どうでしょうか?シェリルのメッセージは著書Lean Inに書かれていたことと一貫していて、目新しいものではなかったにもかかわらず、私の心にはずしっと重く響きました。男尊女卑が明らかだった時代とは違い、誰もが差別は悪だと認識しています。ただ、彼女が言わんとしているのは、それでも無意識下に刷り込まれた「男性とは」「女性とは」という意識に無言の女性へのプレッシャーがあり、女性を萎縮させているのです。まさにそれを意識的に変えていかなくては前進しない、そして萎縮せずにプレッシャーをはねのけていかなければいけない、ということなのだろうと思います。 女性の社会進出はGDP14%アップの価値 続いて行われたパネルディスカッションでのキャシー松井氏の話によると、現在、職を持つ女性の割合は6割。これを男性と同じ8割にまで増やすことができたら日本のGDPは14%上昇すると言われているそうです。日本の国際競争力も、女性がどれだけ活躍できるかによっているということなのです。 そのために、あなたは何をしますか? ▶▶続編リンク:Facebook COO シェリルとDeNA南場さんの議論からみる女性の働き方 Tweet Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。 Prev Blog Next 2013年7月5日
Facebook COO シェリル・サンドバーグの説く3つの「すべきこと」
7月2日、グローバル・ウーマン・リーダーズ・サミットに行ってきました。Facebook COOのシェリル・サンドバーグ氏とDeNA創業者の南場智子氏の登壇ということで、かなり楽しみに出かけました。(招待枠をお分けくださった日経さん、ありがとうございました!)あまりに素晴らしい内容だったので、印象に残った部分をまとめ、みなさんにも感動のおすそ分けをしたいと思います。
世界は男性によって支配されている
いきなり「世界は男性によって支配されています。」というショッキングな出だしで始まったシェリルのスピーチ。常に笑顔を絶やさず話す柔和な雰囲気ながらも、彼女のメッセージがとてもストレートに伝わってきました。「上場企業のトップの95%は男性。日本においては女性トップによって経営されている企業は1%にも満たないのです。」 彼女の本”Lean In”でも感じたとおり、さすがFacebook COO、常にデータのバックアップ付きで話に説得力があります。この男性がトップに立つ傾向は日本だけではなく、程度の差こそあれ世界のどこにおいても同じように問題だということ。まさにそれを変えるために、彼女は本を書き、ここで講演をしているのです。そのために彼女が提唱した「すべきこと」は以下の3つ。(ここからシェリルの話を要約します。記憶に基づいているため、完全ではありませんが。)
1. 女はこうあるべきだ、というステレオタイプを壊すこと
男性はリーダーであり、女性は面倒をみて周囲に尽くす。それが一般に信じられている、それぞれの性の役割。そんな思い込みから、男性は自分を過大評価し女性は自分を過小評価することになるのです。
例えば、男性は転職の際、少しでも基準を満たしていれば応募する。一方で女性は、100%応募資格を満たしていないと応募しない。これは結果に大きな違いを及ぼします。例えば、男性は成功したら、『自分がデキルから』と答える。一方で女性は『私は運がよかっただけ。周囲の助けがあったから。』などと言う。でもせっかくの実績を『運が良かっただけ』と片付けてしまったら自信なんてつきませんよね。
女性のリーダーを批判する言葉のほとんどは、「アグレッシブすぎる」とか、男性がリーダーの場合には耳にしないことばかり。成功している女性は敬遠される一方で、成功している男性は周囲から応援されるのです。
2. 企業の制度を変えること
男女の給与差は日本においては29%、韓国においてはなんと39%もの開きがあります。まずは、給与水準を男女ともに平等にすることが重要です。
また、日本では特に深刻と言われる勤務時間の長さも問題です。朝から晩までオフィスで働くことを求められるのは子供を持つ母親に取っては厳しい状況です。実際、私自身も子供ができてから早く退社するようになりました。周囲にばれないように椅子に毎日違うジャケットをかけオフィスにいるフリをしながら、車にコソコソと駆け込んで帰宅していました。結果、子供ができるまでは時間を短縮するなんててんで不可能と思い込んでいたのに反し、仕事はそれでも何とかなったのです。
また、男性が女性と働くことを自然に捉えられる環境をつくる必要があります。女性が同僚として隣に居ること、女性の上司がいること、それを普通に受け入れられるようにならなくてはならないのです。
3. 家庭での平等
家庭での平等がなければ仕事での平等はありません。いくらアベノミクスなどと言っても、夫も家事育児をし家庭での平等がないと、未来は何も変わりません。日本の女性は男性の5倍もの家事をしています。そもそも、「家庭の仕事の両立」なんて女性にしか尋ねない質問です。なぜそれを男性には聞かないのでしょうか?その質問自体が女性の自信を奪うのです。
もしも、何も恐れるものがなかったとしたら、みなさんは何をしますか?どんなふうに「Lean In」して生きていきますか?ぜひ、info@leanin.orgにあなたの考えをメールください。
無意識下の差別
どうでしょうか?シェリルのメッセージは著書Lean Inに書かれていたことと一貫していて、目新しいものではなかったにもかかわらず、私の心にはずしっと重く響きました。男尊女卑が明らかだった時代とは違い、誰もが差別は悪だと認識しています。ただ、彼女が言わんとしているのは、それでも無意識下に刷り込まれた「男性とは」「女性とは」という意識に無言の女性へのプレッシャーがあり、女性を萎縮させているのです。まさにそれを意識的に変えていかなくては前進しない、そして萎縮せずにプレッシャーをはねのけていかなければいけない、ということなのだろうと思います。
女性の社会進出はGDP14%アップの価値
続いて行われたパネルディスカッションでのキャシー松井氏の話によると、現在、職を持つ女性の割合は6割。これを男性と同じ8割にまで増やすことができたら日本のGDPは14%上昇すると言われているそうです。日本の国際競争力も、女性がどれだけ活躍できるかによっているということなのです。
そのために、あなたは何をしますか?
▶▶続編リンク:Facebook COO シェリルとDeNA南場さんの議論からみる女性の働き方