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Jawboneによる「つながった世界」予測コンペティション


 

connectup-featureJawboneが、「つながった世界に生きる未来を予測しよう」というテーマのもとに、アイディアを募集するコンペティションを行ったのをご存知でしょうか?まさに今日、PSFKのサイトにおいてその最終結果が発表となる予定です。

コンペのタイトルは「Connect Up」。デバイスでネットにつながることがどんなふうに我々の生活をよくするのか、というアイディアを競うものでした。応募アイディアは65個あるデバイスリストの中から最低3つ、またJawbone製品を最低1つ使用していなければいけません。

その最終ラウンドにファイナリストとして選ばれた5つのアイディアをご紹介します。


connect-up-orchestra1Orchestra Puts Users At Center Stage

このアイディアは目覚めに着目しています。オンラインからの指示で光の色味や明るさを調整できるLED電球Philips Hue、あなたのスケジュールや活動状況に応じて室内の温度や湿気をセットするエアコンNest Thermostat、睡眠や日中の活動ログを記録するリストバンドJawbone UPを総合的に活用し、スッキリと目覚め朝を迎えましょうというもの。目覚めた瞬間にJawbone UPがタイミングやあなたの体の状態を感知し、電球のHueやエアコンのNestに指示を出すことで、徐々に目覚めに合わせて自然光のような電気がともり、室温も体のコンディションに合わせ適切に調整されるというアイディアです。そんな清々しい朝を迎えられたら、日中の生活の質も上がりそうです。


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Neighbornet’s Building-Based Social Network

次のファイナリストは現代の孤独なご近所付き合いを、デバイスでつなげようというアイディアです。例えば、ブルートゥーススピーカーJawbone Jamboxで近隣の人と持っている音楽をシェアして楽しみ、活動ログを記録するJawbone UPを通じて近所のトレーニング仲間とエクササイズ、Canary Air Sensorというオンラインにつながった空気清浄機やエアコンNest Thermostatでビル中の環境を一括管理、管理人から住人への重要な連絡はオンラインにつながった鏡Smart MirrorやスマートTVであるFan TV を通じて行うといった前衛的なもの。新しい住環境・隣人付き合いの提案ですね。


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Get Some Sleep With Good Night

このアイディアは私が最も気に入ったものです。睡眠の質を上げるための3つのシナリオが描かれています。

1) 寝付く時のシナリオ:Jawbone UPにより分析した体温や寝入りのパターンをもとに、あなたが最も眠りやすい温度にデジタルエアコンNest Thermostatが調整します。寝入りばなだけでなく、睡眠中にブランケットを蹴っ飛ばしてもJawbone UPが察知し、室温がそれに応じて調整されます。

2) 夜中に目覚めた時のシナリオ:体の24時間周期を乱さないためには夜は暗赤色灯を使うのが良いとされていますが、例えば、夜中に少しトイレに目覚めたときにはJawbone UPがPhilips Hueに夜であることを伝え、電球の色をオレンジから赤暗く設定、またスムーズに眠りに戻れるようにするのです。

3) 朝目覚めのシナリオ:朝、すっきり起きられるタイミングでJawbone UPのアラームがなり、目覚めたことをJawbone UPが感知すると自然にスッキリ目覚められるライムグリーンや青い色味で電球がともります。これで1日がスッキリと始められます。


connect-up-get-up

Get Up Encourages Exercise In The Home

家をトレーニングジム化してしまおうというアイディア。活動ログをとれるJawbone UPでのトレーニングを基本として、自分用にカスタマイズされたトレーニングタスクのリストアップをLittle Printerで行い、その経過を常にチェックするためにSmart Mirrorを使い、といった形で家にいる時間をデバイスによって楽しくトレーニングできるようにしてしまおうというもの。デバイスの活用方法には、若干、無理矢理感が否めませんが・・・(苦笑)

Holistic-Home-concept


Creating A Holistic Home

生活ログやエンターテイメントをFan TV に集約させてしまおうというアイディア。そもそも、NetflixのようなネットにつながったTVでできることは幅広いはず。映画やドラマなどのエンターテイメントを楽しめるだけでなく、エアコンのNestや室温・湿気・電気・空気清浄などのコントロールをするCubesensorsのデータをスクリーンに映し出すことだってできるはず。Jawbone UPでとった自分のライフログをTVスクリーンで管理することもできるのです。「未来予測」というよりは、これはまさに今のデバイス環境でも可能でしょう。


デジタルが生活を一新する

年率53.7%の勢いで爆発的に伸び続けるウェアラブルデバイス市場が私たちの未来をどんなふうに変えてくれるのか、想像するだけでもワクワクします。UberへのGoogleの出資によりボタン一つでGoogleのセルフドライビングカーが迎えにきてくれるようになるとか、定期的に通院をしなくても医療用のデバイスで医師にメディカルログを送れるようになるとか、ECで売買されるのが物質そのものではなく3Dプリンターで再現するためのデータになるとか、これからの時代はデジタルが私たちの生活を一新する時代です。

そんな中、ベンチャー企業は、消費者とコラボレーションをして、自らの製品の用途を開拓していっています。こういうトレンドをプレシューマーとか、クラウドソーシングとか呼んでいるけれど、日本のブランドで、こういう取組みが出来ている所がどれほどあるのでしょうか。NikeがFuelバンドをKick Starterに出したように、クラウドの力を取り込むのは、もはや当たり前の時代なのです。

このクラウド化のトレンドにうまく乗らないと、日本のメーカーやブランドは、またも世界的な競争から取り残されてしまうのではないでしょうか?Jow Borneの新しいアイディアにワクワクすると同時に、日本のメーカーの現状を思って、強烈な危機感を感じています。

あなたはどう思いますか?

参考資料:http://www.psfk.com/connectup

Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。