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ブレーン特集「広告クリエイティブを見る宣伝部長の目」に寄稿


 

BrainPageブレーン6月号の特集「広告クリエイティブを見る宣伝部長の目」に(ほんの!)一部寄稿させて頂きました。匿名前提での質問項目を含めると約1ページ弱ほどです。広告主43社もの回答からなる実際の特集記事で、なかなか面白く仕上がっていたのでご紹介します。

広告主とクリエイティブの溝

43社43様の回答が寄せられる中、私が感じたこと。それは、意外にみんな広告主側とクリエイティブ側が一体となれていないのではないか?という印象です。特に、匿名での回答が編集されているページなどは各社それぞれの本音が覗き、面白いものになっています。いくつか抜粋をすると以下。

「営業を介して話をすると、真意が伝わらずに的外れな案があがってくる」
「ひとりよがりな過剰な自信。クライアントに迎合する自信のなさ」
「コピーライターさんと意見が分かれ、半ば喧嘩状態に。」
「奇をてらいすぎた表現、斬新な衣装の提案や、本来の目的から離れてしまう」

厳しいコメントが並びますが、クリエイティブ側も全力を尽くしての結果のはず。いや、むしろ彼らには彼らの言い分があるでしょう。では、この溝をなくしお互いの理解を深めながら一体感のあるチームを作り上げるにはどうしたらいいのでしょうか?以下、私の目からみた両者に求められる発想の転換です。

広告主:ゴールと戦略の共有

マーケティングとは宣伝ではない。つまり、マーケティングはビジネスに対して責任があり、そのビジネスゴールを達成するためにどうするのかを毎日考えている訳です。その日々の考えや悩みをもっと密に共有すべきなのでしょう。エージェンシーはビジネスパートナーであり、日々の相談相手です。むしろ、それができないのであれば長期的にパートナーシップを組む意味合いは薄れてしまいます。

クリエイティター:受賞よりもビジネスへの共感

よくクリエイターがプレゼンテーションをするときに、誇らしげに受賞歴を語られますが、この特集の他社コメントの中でもありましたが、極端な話、私たちは受賞歴は気になりません。むしろ、ビジネスをどこまで同じ温度感で捉えてくれるパートナーかどうかの方が重要です。そのマインドセットの切り替えはクリエイター側に必要になってくるのではないでしょうか。

クリエイティブ内製化

上記を突き詰めていくと、行き当たる答えは「クリエイティブの内製化」ではないでしょうか。同じオフィスで、同じビジネスを背負い、同じ方向を向くというのは理想的だと思います。しかも、毎秒のように状況が変化していく中で迅速な対応を求められる昨今クリエイティブと瞬時にコミュニケーションできてこその高速PDCAです。間に営業を挟み、電話が通じないなどと言っている場合ではないのです。

特集はブランド側からの見解ばかりではありますが、ブランドと代理店のクリエイティブ制作における共同作業のヒントが詰まっていると思います。ぜひ手に取ってみてください。


Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。