Oculus Rift体験から予感する、2045年「マトリックス」の世界 ウェアラブルデバイス Tweet 人生初体験のOculus Rift。かなりの衝撃を受けたので、ご紹介します! この黒い、言っちゃ悪いけどパッと見、その凄さの伝わらない単なる箱。これが、想像の域を超えた体験をさせてくれるのです。 Oculus Riftとは? そもそもOculus Riftとは何なのか、詳しく知りたい方はWikipediaへ。かいつまんでご説明すると、以下のようなものです。 これを装着すると360度、バーチャルリアリティに囲まれるという体験ができるヘッドマウントディスプレイ 2012年に、Kickstarterで、目標額$25万を大きく超え$240万の開発資金の調達に成功し、当時の最高調達額を更新 2014年3月にFacebookが$20億でOculus VRを買収するというニュースで話題になった 衝撃のOculus Rift初体験 今回、ラッキーにもゼネテックの沼倉正吾さんに、このOculus Riftのデモをして頂きました。 この臨場感は実際に体験してみないと、言葉や写真では説明しきれない!と思いつつもレポートします。 まず、最初に衝撃を受けたのは、ジェットコースターの映像。遊園地なんかで映像付きの乗り物ってあるよね・・・と思っていた私は、このOculus Riftの力を完全に甘く見ていました。 本当にジェットコースターに乗っているのと同じような、あの「フワッ」とした浮遊感をリアルに感じるのです!あまりの怖さに、周囲のものをつかんで体を支え、途中でOculus Riftを外してしまうほど。重力って視覚から感じるんだと、驚きました! その後、内覧用の部屋の映像、eラーニングに最適という宇宙の映像、裸の男性&女性がいる映像(笑)など、いろいろと見せてもらいました。中でも、宇宙の映像はなかなか壮大で、「え!太陽ってあんなに大きいの?」「あの小さいのは何?月?」など、大騒ぎでした。 この没入感は、これでアクション映画やホラー映画など絶対に見たくないと思うほど。視覚から入ってくる情報だけなのに、五感で感じるということは、痛みやショックなどもかなりの臨場感で感じ、現実と仮想の区別がつかなくなりそうな気がします。 ちなみに、バーチャルリアリティ酔いというものがあるらしく、私はOculus Rift体験後、若干、車酔いのようになり、次の日に疲労感や頭痛がでるという状況でしたが、これは今後、映像の解像度が上がり動きと映像にタイムラグがなくなるなど性能が上がってくれば改善されるそうです。 2045年以降に訪れる「マトリックス」の世界 ここまで映像で見ているものを五感で体感できると、映画「マトリックス」の世界が訪れるのも近い、というのがわかる気がします。 Oculus Riftの視覚的体験をさらにリアルに近づけるものとして、何かを触ったかのような圧力を感じる手袋や、舌に電極をあてることで味を再現できる手法が開発されていたり・・・最終的に向かう先はまさに現実に限りなく近いバーチャルの世界です。 今年2月に、Googleが3Dセンサーとカメラを組み合わせ3Dマップを作るプロジェクトタンゴを開始というニュースがありました。つまり、これにより世界中の全てのものが3Dで記録されるようになると、「何年のどこどこに行きたい」といったことが、Oculus Riftで可能になるのです。 そこで、ものを触ったり何かを食べたりといったインタラクティブな体験が可能になれば、現在のアバターなどと比較にならないくらい、臨場感のあるセカンドライフが実現することになります。 昔は、会わないと会話ができないのは当たり前でした。そこから、コミュニケーションは進化をとげ、まずは電報が打てるようになり、そして電話ができるようになり、今ではSkypeなどで顔をみて話ができるところまで来ています。そして次は、もっとリアルに、仮想空間で会うということが当たり前のようにできる時代がやってくるのでしょう。 フューチャリストでありGoogleのロボット研究を率いているRay Kurzweil氏によると、2045年にシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れる、つまりAI(人工知能)のレベルが人間の知能レベルを超え、その後は人工知能によって技術発展が進むなど、今では想像もつかないような魔法のような時代になっていくだろうということです。 今後、このOculus Riftの行く末にどんな世界が待っているのか、少し怖いような楽しみなような複雑な心境です。 写真:shutterstock Tweet Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。 Prev Blog Next 2014年6月3日
Oculus Rift体験から予感する、2045年「マトリックス」の世界
人生初体験のOculus Rift。かなりの衝撃を受けたので、ご紹介します!
この黒い、言っちゃ悪いけどパッと見、その凄さの伝わらない単なる箱。これが、想像の域を超えた体験をさせてくれるのです。
Oculus Riftとは?
そもそもOculus Riftとは何なのか、詳しく知りたい方はWikipediaへ。かいつまんでご説明すると、以下のようなものです。
衝撃のOculus Rift初体験
今回、ラッキーにもゼネテックの沼倉正吾さんに、このOculus Riftのデモをして頂きました。
この臨場感は実際に体験してみないと、言葉や写真では説明しきれない!と思いつつもレポートします。
まず、最初に衝撃を受けたのは、ジェットコースターの映像。遊園地なんかで映像付きの乗り物ってあるよね・・・と思っていた私は、このOculus Riftの力を完全に甘く見ていました。
本当にジェットコースターに乗っているのと同じような、あの「フワッ」とした浮遊感をリアルに感じるのです!あまりの怖さに、周囲のものをつかんで体を支え、途中でOculus Riftを外してしまうほど。重力って視覚から感じるんだと、驚きました!
その後、内覧用の部屋の映像、eラーニングに最適という宇宙の映像、裸の男性&女性がいる映像(笑)など、いろいろと見せてもらいました。中でも、宇宙の映像はなかなか壮大で、「え!太陽ってあんなに大きいの?」「あの小さいのは何?月?」など、大騒ぎでした。
この没入感は、これでアクション映画やホラー映画など絶対に見たくないと思うほど。視覚から入ってくる情報だけなのに、五感で感じるということは、痛みやショックなどもかなりの臨場感で感じ、現実と仮想の区別がつかなくなりそうな気がします。
ちなみに、バーチャルリアリティ酔いというものがあるらしく、私はOculus Rift体験後、若干、車酔いのようになり、次の日に疲労感や頭痛がでるという状況でしたが、これは今後、映像の解像度が上がり動きと映像にタイムラグがなくなるなど性能が上がってくれば改善されるそうです。
2045年以降に訪れる「マトリックス」の世界
ここまで映像で見ているものを五感で体感できると、映画「マトリックス」の世界が訪れるのも近い、というのがわかる気がします。
Oculus Riftの視覚的体験をさらにリアルに近づけるものとして、何かを触ったかのような圧力を感じる手袋や、舌に電極をあてることで味を再現できる手法が開発されていたり・・・最終的に向かう先はまさに現実に限りなく近いバーチャルの世界です。
今年2月に、Googleが3Dセンサーとカメラを組み合わせ3Dマップを作るプロジェクトタンゴを開始というニュースがありました。つまり、これにより世界中の全てのものが3Dで記録されるようになると、「何年のどこどこに行きたい」といったことが、Oculus Riftで可能になるのです。
そこで、ものを触ったり何かを食べたりといったインタラクティブな体験が可能になれば、現在のアバターなどと比較にならないくらい、臨場感のあるセカンドライフが実現することになります。
昔は、会わないと会話ができないのは当たり前でした。そこから、コミュニケーションは進化をとげ、まずは電報が打てるようになり、そして電話ができるようになり、今ではSkypeなどで顔をみて話ができるところまで来ています。そして次は、もっとリアルに、仮想空間で会うということが当たり前のようにできる時代がやってくるのでしょう。
フューチャリストでありGoogleのロボット研究を率いているRay Kurzweil氏によると、2045年にシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れる、つまりAI(人工知能)のレベルが人間の知能レベルを超え、その後は人工知能によって技術発展が進むなど、今では想像もつかないような魔法のような時代になっていくだろうということです。
今後、このOculus Riftの行く末にどんな世界が待っているのか、少し怖いような楽しみなような複雑な心境です。
写真:shutterstock