Halloween

ハロウィーンのためのホラーマーケティング5つの事例


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もうじきハロウィーンですね!ということで、今回はハロウィーンをもっと楽しくしてくれるホラーマーケティングの事例をご紹介します。


ホラー映画「Carrie」のドッキリプロモーション

国:US
エージェンシー: Thinkmode
中谷の主観による注目度スコア:★★★★★

突然、あなたの街の喫茶店に超能力者が現れたら・・・そんなドッキリシチュエーションを演出し、Viralさせたというもの。10月8日公開のホラー映画「Carrie」のプロモーション施策です。その制作過程から実際居合わせた人たちの反応までをリアルに捉えたビデオ(仕込まれた役者ではないかとの見解ももちろんありますが)をご覧ください。10月7日にこのビデオがYoutubeにアップされてから2週間弱で4200万回もの再生数を達成しています。


血のしたたるTideのVine動画キャンペーン

国:US
エージェンシー: Digitas
中谷の主観による注目度スコア:★★★

最近Dunkin’ DonutsやTridentがVineでTVCMを制作し話題になっていましたが、6秒動画のVineがキャンペーンに使われることも増えてきたようです。P&Gの洗剤ブランドTideが仕掛けたのは、ホラー映画「Carrie」のパロディとして出した、血が滴るボトル。”Stains better be scared.(シミを放ったらかすと恐い!)”というコピーでうまくブランドに結びつけています。10月31日までに続けて他の映画のパロディで6つのバージョンを発信する予定らしく、Promoted Tweetsを通して広くリーチさせていくとのこと。


Booking.comの幽霊がでるホテル予約

国:オランダ
エージェンシー: Wieden + Kennedy
中谷の主観による注目度スコア:★★★★★

幽霊のでるホテル「さえも」予約できるほどたくさんのホテルのラインアップがあります!というメッセージをホラー映画さながらに伝えています。このホラー動画やビジュアルをTV、映画館、オンラインを通して多面展開をしています。 気になるその「でる」ホテル、こちらのホラーページから予約できるという仕組みです。なかなかよくできているサイトで、背筋が凍りますね!ぜひどなたか泊まってみてください。

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よく考えられていると思う点は、通常のbooking.comのサイトでこれらのホテルを普通に予約する場合、これらが「でる」ホテルだということはどこにも記載されていないのです。ホラーページから一方通行の動線設計がされているので、ホラーが苦手な方は事情を知らさることなく心穏やかに「でる」ホテルに宿泊することになるのです。それがまたコワイですね(笑)!以下がそのホラー動画です。


Chipotleの資金調達コーズマーケティング Chipotle

国:US、カナダ、UK
エージェンシー: 不明
中谷の主観による注目度スコア:★★★★

メキシコ料理チェーンChipotleが2008年から毎年ハロウィーンに行っているキャンペーン。ハロウィーンの日4時以降に仮装をしてChipotleのお店へ行くとたった$3でブリートが買え、このキャンペーンから上がった売上げ$100万を食糧問題に取り組むNPO、Cultivate Foundationに寄付するということで、うまくコーズマーケティングに結びつけています。


Take This Lollipop take-this-lollipop-e1366818089176

国:US
ディレクター: Jason Zada
中谷の主観による注目度スコア:★★★★★

少し前の事例になりますが、2011年のハロウィーンに公開となったFacebookと連携したショートホラームービーです。Facebook史上最高のユーザー数をたたき出し、1ヶ月で1000万人に到達しました。このムービーが伝えようとしているのは、オンラインにおける個人情報開示のリスク。あなたの個人情報を利用してハッカーがあなたを狙っているということをリアルに伝えているのです。このムービがきっかけで子供が被害に合わないようどうデジタル上の個人情報を管理するかということが話題になりました。まさにこの恐さは体験して頂かないとわからないと思うので、ぜひこちらのサイトで実際にトライしてみてください!


どうでしょうか。使用媒体や形式ができる限り多岐にわたる事例を選んでみましたが、それでもこうして比較をしてみるとホラーマーケティングを成功させる共通項が見えてくるような気がします。

1)インターラクティブであること

よりバズっているものは消費者が恐怖を”体験”できるようになっているだけでなく、「Carrie」のドッキリやTake This Lolippopの事例ようにそのストーリーの行方がわからずハラハラドキドキする仕掛けになっています。まさに自分がその状況の中で当事者になっているかのような感覚が興奮を増大させるのです。

2)恐怖感を煽るに足る本格的な動画や画像

Booking.comの動画やポスター画像、またTake This Lolippopのショートムービーの出来など、まさに作り込みが本格的で妥協がありません。これは我に返ることなく恐怖感に身を委ねてもらうために重要な点です。「Contagious」という本でバイラルがどういう感情とともに起きるのかを研究したJonah Bergerは、怒りや不安などの興奮を引き起こす感情が口コミを起こすと言っています。まさに動画でリアルな恐怖感を煽るというのは拡散の鍵となるようです。

3)宣伝的要素は二の次

ホラーマーケティングは、恐怖感を楽しんでもらうことで拡散させることが優先です。ここに「買ってください」というメッセージを組み込むととたんに受け手がしらけてしまうことになります。上記でご紹介したものの中でも、これを大切にしたものほど成功しているように見受けられます。得てして、押し付けがましい宣伝的メッセージはViralを阻害します。

皆さんもハロウィーンを更に盛り上げるキャンペーンをどんどん計画してくださいね!Happy Halloween!


Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。