「Future Tech勉強会Little Bitsいじろう!」開催レポート セミナー&カンファレンス Tweet LittleBitsとは? まず、そもそもLittleBitsとは何なのか。「IoTのレゴ」と言われており、プログラミングができなくても誰でも簡単に身の回りのものをIT化してしまえるツールです。 2015年、FutureTech勉強会をスタート 2015年の抱負としてスタートすることを決意したFuture Tech勉強会。1月23日(金)は、このLittle Bitsをテーマに開催しました。 今回、日本におけるLittleBits販売代理店であるKORG社から塚本能文さんにご参加頂き、なんと参加者全員が思う存分に使える量のLittleBits機材をお借りすることができました!日本で販売されているキット全種類です! 塚本さんとは、昨年11月に開催されたMaker FairでKORGさんがブースを出されていたことからのご縁です。私の趣味が高じて開催した無料の勉強会にここまでして頂けるなんて、本当に感謝です。 突撃訪問から共同開発、そして代理店に まず、冒頭。 塚本さんから、KORG社が販売代理店となるに至ったきっかけであるSynth Kitの共同開発ストーリーをお話頂きました。 KORG商品企画室室長の坂巻匡彦氏が別件の出張でNYへ行った際に「会いたい」とまだ面識のないLittleBitsへメールを送り、オフィスを訪問。そこで、LittleBits製品開発ヘッドであるPaul Rothman氏と意気投合したところがSynth Kitの始まりだったそうです。 Paulが大学で音楽テクノロジーを選考していたことも大きく、LittleBitsもちょうどシンセサイザー的製品の開発を考えていたのですね。そこから、一気に製品化へと進んだということです。まさにアメリカンドリームな話で、ワクワクします! LittleBitsって例えばどうやって使うの? 続いて、ケーススタディ。 LittleBitsをバリバリ使いこなしている佐藤一憲さんと安田絹子さんからのプレゼンです。何といっても、今日本で最もLittleBitsとIFTTTを使いこなしてIoTを身近に取り入れているのが、この2名でしょう。じかにケーススタディを聞かせてもらえるのは、素晴らしいチャンスでした。 事例①「おとうさんいまどこメーター」(by 佐藤一憲さん) 佐藤さんのお子さん、しゅーちゃんが、いつでもおとうさんの居場所がわかるよう、メーターを作ったというお話。CloudBitとIFTTTの組み合わせで佐藤さんのスマホGPSがいつでも居場所をこのメーターへと送ってくれる仕組みです。おとうさんのプライバシーはゼロですね。(笑) 事例②「TVとiPadの休憩タイマー」(by 佐藤一憲さん) 佐藤家ではTVは40分までというルールがあるそう。その後は一旦休憩を挟まないといけないので、その時間をきちんと守れるよう、タイマーが開発されたのです。Aruduinoで時間がきたら電源をバチッとイッキに切る!という結構ショッキングなツール。実物をお持ち頂きましたが、カチカチいって、カッコイイ! 事例③「子守りIoT」(by 安田絹子さん) 今回、赤ちゃんを連れてご参加くださった安田さん。生まれた時からIoTに囲まれて、将来が楽しみですね! 赤ちゃんが泣いたら、サウンドセンサーで探知、スマホに通知がくるというもので実用的!それにリモートでおもちゃを揺らして子守りができるという機能も。赤ちゃんからちょっと離れて、別の場所で家事なんかをしなくてはいけない際に便利ですよね。 LittleBitsいじろう! 話を聞いた後はもちろん実践。とにかく自分でやってみよう!ということで、塚本さんにお借りしたLittleBits機材を使って作業開始です。 全員が黙々と机に向かってLittleBitsをいじり、勉強会としてはとても異質な空間・・・笑。 しばらくすると「ピポッ・ピポッ・ピポッ・・・」とSynth Kitの音がなりだし、面白そうな音が聞こえてくるとみんながそこに集まるという雰囲気。大好きです、こういう異様にマニアックな集団。笑 最後には、作った作品とコンセプトを発表。 「iPhoneから音楽を流すと光信号に変えて、離れたスピーカーで鳴らす回路」 「赤外線信号に手をかざしYoutubeの音を途切れさせるエアDJ」 「ポストが空くとその光で反応して音がなる迷惑ポスト撃退ツール」等々 みなさん素晴らしい出来でした! LittleBitsの大きな可能性 LittleBitsは単なる子供のおもちゃではありません。 単なる「電子工作を試してみましょう」的なキットではないのです。むしろ、IoTを誰でも自分でデザインして、日常の生活を便利にするツールです。 実際、かなり高度なニーズにも応えられるパーツも揃っています。CloudBitを使えばネットにものから情報を飛ばすことができるのでIFTTTと組み合わせればリモートでいろんなことがコントロールできるようになります。Aruduinoを使えば、ちょっとしたコードを書いて(または人に書いてもらったものをコピペして。笑)もっと複雑なことだってできるのです。 例えば、「寒い家のエアコンを家に帰る前につけておきたい」とか、「外出先で電気を切り忘れたと気づいた時に操作したい」とか、「旅先からでも植物に水をやったり、金魚にエサをやったりしたい」とか・・・ 必要なときにLittleBitsを思い出すことさえできれば、日常のちょっとした「XXだったらいいのに」という不便を解消できるツールになるのです。 つまりは、ハサミと一緒です。ハサミをもって「これで何を切ろうか」と考えるのではなく、ものを切りたいシーンに遭遇したらハサミを思い出しますよね? 同様に、LittleBitsありきで何を作ろうかと考え始めると煮詰まってしまいます。むしろ、あるべき順番はその逆で、必要なときに思い出せばいいのです。日常で「不便だなー」と思ったときにLittleBitsを思い出せば、使えるシーンは無限に広がるのではないでしょうか。 これからの時代は、個人が自分でIoTを扱う時代。みなさんもぜひLittleBitsを試してみてください! Tweet Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。 Prev Blog Next 2015年1月25日
「Future Tech勉強会Little Bitsいじろう!」開催レポート
LittleBitsとは?
まず、そもそもLittleBitsとは何なのか。「IoTのレゴ」と言われており、プログラミングができなくても誰でも簡単に身の回りのものをIT化してしまえるツールです。
2015年、FutureTech勉強会をスタート
2015年の抱負としてスタートすることを決意したFuture Tech勉強会。1月23日(金)は、このLittle Bitsをテーマに開催しました。
今回、日本におけるLittleBits販売代理店であるKORG社から塚本能文さんにご参加頂き、なんと参加者全員が思う存分に使える量のLittleBits機材をお借りすることができました!日本で販売されているキット全種類です!
塚本さんとは、昨年11月に開催されたMaker FairでKORGさんがブースを出されていたことからのご縁です。私の趣味が高じて開催した無料の勉強会にここまでして頂けるなんて、本当に感謝です。
突撃訪問から共同開発、そして代理店に
まず、冒頭。
塚本さんから、KORG社が販売代理店となるに至ったきっかけであるSynth Kitの共同開発ストーリーをお話頂きました。
KORG商品企画室室長の坂巻匡彦氏が別件の出張でNYへ行った際に「会いたい」とまだ面識のないLittleBitsへメールを送り、オフィスを訪問。そこで、LittleBits製品開発ヘッドであるPaul Rothman氏と意気投合したところがSynth Kitの始まりだったそうです。
Paulが大学で音楽テクノロジーを選考していたことも大きく、LittleBitsもちょうどシンセサイザー的製品の開発を考えていたのですね。そこから、一気に製品化へと進んだということです。まさにアメリカンドリームな話で、ワクワクします!
LittleBitsって例えばどうやって使うの?
続いて、ケーススタディ。
LittleBitsをバリバリ使いこなしている佐藤一憲さんと安田絹子さんからのプレゼンです。何といっても、今日本で最もLittleBitsとIFTTTを使いこなしてIoTを身近に取り入れているのが、この2名でしょう。じかにケーススタディを聞かせてもらえるのは、素晴らしいチャンスでした。
事例①「おとうさんいまどこメーター」(by 佐藤一憲さん)
佐藤さんのお子さん、しゅーちゃんが、いつでもおとうさんの居場所がわかるよう、メーターを作ったというお話。CloudBitとIFTTTの組み合わせで佐藤さんのスマホGPSがいつでも居場所をこのメーターへと送ってくれる仕組みです。おとうさんのプライバシーはゼロですね。(笑)
事例②「TVとiPadの休憩タイマー」(by 佐藤一憲さん)
佐藤家ではTVは40分までというルールがあるそう。その後は一旦休憩を挟まないといけないので、その時間をきちんと守れるよう、タイマーが開発されたのです。Aruduinoで時間がきたら電源をバチッとイッキに切る!という結構ショッキングなツール。実物をお持ち頂きましたが、カチカチいって、カッコイイ!
事例③「子守りIoT」(by 安田絹子さん)
今回、赤ちゃんを連れてご参加くださった安田さん。生まれた時からIoTに囲まれて、将来が楽しみですね!
赤ちゃんが泣いたら、サウンドセンサーで探知、スマホに通知がくるというもので実用的!それにリモートでおもちゃを揺らして子守りができるという機能も。赤ちゃんからちょっと離れて、別の場所で家事なんかをしなくてはいけない際に便利ですよね。
LittleBitsいじろう!
話を聞いた後はもちろん実践。とにかく自分でやってみよう!ということで、塚本さんにお借りしたLittleBits機材を使って作業開始です。
全員が黙々と机に向かってLittleBitsをいじり、勉強会としてはとても異質な空間・・・笑。
しばらくすると「ピポッ・ピポッ・ピポッ・・・」とSynth Kitの音がなりだし、面白そうな音が聞こえてくるとみんながそこに集まるという雰囲気。大好きです、こういう異様にマニアックな集団。笑
最後には、作った作品とコンセプトを発表。
みなさん素晴らしい出来でした!
LittleBitsの大きな可能性
LittleBitsは単なる子供のおもちゃではありません。 単なる「電子工作を試してみましょう」的なキットではないのです。むしろ、IoTを誰でも自分でデザインして、日常の生活を便利にするツールです。
実際、かなり高度なニーズにも応えられるパーツも揃っています。CloudBitを使えばネットにものから情報を飛ばすことができるのでIFTTTと組み合わせればリモートでいろんなことがコントロールできるようになります。Aruduinoを使えば、ちょっとしたコードを書いて(または人に書いてもらったものをコピペして。笑)もっと複雑なことだってできるのです。
例えば、「寒い家のエアコンを家に帰る前につけておきたい」とか、「外出先で電気を切り忘れたと気づいた時に操作したい」とか、「旅先からでも植物に水をやったり、金魚にエサをやったりしたい」とか・・・
必要なときにLittleBitsを思い出すことさえできれば、日常のちょっとした「XXだったらいいのに」という不便を解消できるツールになるのです。
つまりは、ハサミと一緒です。ハサミをもって「これで何を切ろうか」と考えるのではなく、ものを切りたいシーンに遭遇したらハサミを思い出しますよね?
同様に、LittleBitsありきで何を作ろうかと考え始めると煮詰まってしまいます。むしろ、あるべき順番はその逆で、必要なときに思い出せばいいのです。日常で「不便だなー」と思ったときにLittleBitsを思い出せば、使えるシーンは無限に広がるのではないでしょうか。
これからの時代は、個人が自分でIoTを扱う時代。みなさんもぜひLittleBitsを試してみてください!