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2015年テック・ベンチャー関係者注目のトレンドまとめ


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みなさま、明けましておめでとうございます!

今回は、ブログ書き初めということで、私が注目しているトピックの昨年感じたトレンドと、2015年に期待する展開を記します。個人的な観点からアンテナに引っかかったトレンドを語っていますので、抜け漏れ必至です(笑)。

バーチャルリアリティ(VR)

Oculus

この分野は2014年、凄まじい盛り上がりを見せました。正直なところ、Oculusラブな私でも、当初ここまでのブームが来るとは思っていませんでした。

ところが、2014年後半になると、アドテック東京でトピックとして取り上げられたり、Oculus FesがBig Paradeなどのイベントで紹介されたり、11月のMaker FairでもOculusを紹介するブースの多さに驚きました。ついには、12月に「嵐にしやがれ」で紹介されるなんて・・・いつからそんなマスなアイテムになったんだ!と、感動しました。笑

またVRは技術的にも大きな前進を遂げました。PCにつながないといけないOculusに対し、もっと手軽に楽しめるヘッドマウントディスプレイが出現。SamsungがOculusと共同開発して出したスマホをセットするだけのGear VRは$199という安さです。もっと簡易なものとしては、ハコスコが1000円で販売され、GoogleのCardboardもI/Oというディベロッパーイベントで無料配布されました。どんどん、安く簡単にVRが楽しめる時代が近づいてきているのです。

もちろん、メディア等で紹介されるだけでなくキャンペーンでの活用も進んでいます。私が中でも面白いと感じたのは、11/22に渋谷のTsutaya前で行われた360°ホラーキャンペーン。ホラーに没入するなんて怖すぎて絶対にトライしたくない・・・(涙)というのはさておき、ホラー映画をOculusで見て心拍数が上がるほど「パニックーポン」というTsutayaクーポンがもらえるというもの。Oculusによる気持ち高ぶりがうまく活かされています。

Volvoも、GoogleのCardboardを利用して、車の試乗体験を手軽にVRで見られるというキャンペーンを行いました。

おそらくは、2015年、こういったヘッドマウントディスプレイを使ったキャンペーンがぐっと増えてくると思われます。また、コロプラがOculus向けゲーム開発ができるエンジニア募集に力を入れ始めているように(コロプラはすでに2014年8月の時点でOculus用ゲームアプリを発表しています)ゲームでの活用も進むでしょう。

ウェアラブルテクノロジー

2014年は、日本においては意外に静かだったウェアラブル業界。

当初は2014年9月発売とウワサされていたApple Watch(iWatch)も先送りになり、Google Glassなどの目立ったニュースもありませんでした。リストバンド型のウェアラブルも同じです。Jawbone UPが2013年に日本発売を開始してからは、特段目立ったアップグレードがあったわけでもなく、Fitbit Forceは着用による肌トラブルから製品リコールになり、Nikeに関してはFuel Bandからの撤退もウワサされています。そんな中で、ウェアラブル業界の良いニュースと言えば、ログバーのRingが(出荷遅延から炎上しつつも)10月に無事出荷開始となったことでしょうか。

しかし、ウェアラブルは2015年にはグローバル出荷台数1億台を突破すると言われている今急拡大中の市場です。Apple Watchなど延期になった製品の発売のニュースも2015年春には発表になると言われていますし、盛り上がることを期待したいですね。

今後は、上のApple Watchのトレイラー動画やRinglyのような製品に見られるような、洗練されたファッション性が全面にでてくるのではないでしょうか。今までの「とにかく製品化することが先決」といった段階から、「身につける以上オシャレじゃないと売れない」という次のステップに進んで行くように思うのです。

また、2015年に叶うかはわかりませんが、ウェアラブルに求められるのはスマホからの独立でしょう。常にスマホとセットで持ち歩かないと機能しないようでは、やはり一般への浸透には限界があります。スマホがなくても、軽いウェアラブルだけでネットにつながった状態になるのを期待したいですね。

3Dプリンター

3D Pinter

2014年は家庭用3Dプリンターの価格破壊の年でした。

家庭用3Dプリンターが10万円以下で手に入るという、Cube3のニュースから始まり、気がつくとあれよあれよという間に5万円クラスのものがでてきました。しかも、クラウドファンディングだと3万円台まで登場。どこまで安くなっていくのでしょうか・・・。

しかも、2014年2月には、より精度の高い方式である「レーザー焼石法」(SLS方式:粉末をレーザーで焼き固め作る方式)の特許の期限が切れました。ということは、今後、この方式での3Dプリンターは安いモデルがどんどん登場してくるということ。(実際、すでに3社ほど安価でのSLS方式3Dプリンターの発売がアナウンスされているようです)2015年以降、3Dプリンターは、より安価で、様々な方式の家庭用プリンターが出現することになるのではと思います。

とはいえ、3Dプリンターが1家に1台必要なものかというと、ほとんどの人にとってはそれほどの使用頻度ではないことも確か。一般的には「たまに趣味で作ったものを3Dで印刷したい」という程度です。

そういったニーズを満たすために、オーダーすると3Dプリントされた品物が届くといったマーケットプレイスが増えてくると思います。USではすでに、ざっと見ただけでも50以上ものマーケットプレイスがありますが、日本で名前を聞くのはDMM.makeRinkakくらいのもの。年率57.2%の成長が国内でも見込まれている3Dプリンター市場ですから、こういった一般ユーザーのためのサービスの出現にも期待です!

Internet of Things (IoT)

LittleBits

2014年、私のアンテナに引っかかってきたのは「プログラミング不要」のIoT。

プログラミングスキルが自分にないからかもしれませんが、魅惑的なコンセプトです。(笑)IFTTTLittleBitsで自由に家の中をネットにつなげることができるとか、コードを書かなくても良いScratchというプログラミング言語とか・・・「わからなくても組み合わせるだけ」だなんて!

もちろん、プログラミングができる人がReady-madeなものを作ってくれているからこそ、「組み合わせるだけ」が可能になっているわけです。それでも、プログラミングに縁のない一般人が「こうだったら便利なのに」と思ったことを叶えられるのはステキだと思いませんか?そうやって身近なところから、住環境がIoT化されていくのは、素晴らしいですよね。

そして、もう一つのトレンドは小型化。指の爪ほどの大きさしかない世界最小のArduino互換機「8pino」やフリスクの箱に収まるサイズのインテルEdison用拡張基板「スイッチサイエンス版Eaglet」などが11月のMaker Fairでも紹介されていました。とにかくIoT周りのツールが驚くほど小型で軽量になってきているのです。

2015年には、アクセサリー型IoTなど、小型ならではのIoTが広がってくるのではないでしょうか。

人工知能(AI)

2014年6月に、13歳の人工知能が史上初めてチューリングテスト(人工知能を人間と判別するテスト。3分の1の審査員をだますことができれば、合格。)に合格したというニュースが流れました。

人工知能に「13歳」とか「ウクライナ出身」といった制限は判定を甘くするため、これを合格とみなすかどうかに賛否両論はあります。ただ、2029年までには人工知能が人間と見分けがつかないレベルになるだろうと言われている中、これが大きな第一歩であることは間違いないと言えます。

2012年に大量のYoutubeの動画から自力でコンピューターが「ネコ」を認識したというDeep Learningをつかった前進から、人工知能の研究は飛躍的に前進しているそうです。Facebookの顔認識くらいしか、私たちが日常リアルに人工知能を意識することはありませんが、水面下での進化に期待したいですね。

特に、IoTと人工知能がセットで実用化されたときに、近未来的な便利な生活が待っているのではないかとワクワクします。

まとめ

このように、昨年大きく前進した上記のテクノロジーは、今年はどんな飛躍を見せてくれるのでしょうか。これからの変化から目が離せませんね。

2015年もこういったエリアに注目し、記事をお届けしていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いします!

 

※本ブログの内容は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。


Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。