CESレポート(2): ヘリコプタードローン「Ehang 184」の登場 セミナー&カンファレンスタグ: Tweet CESレポート第2弾です。ドローンもCESで大きく盛り上がっていた領域の1つでした。 ヘリコプタードローンEhang 184 中でも大きな注目を集めていたのは、中国のEhang社が作ったEhang 184というヘリコプターのようなドローンです。以下のように、8つのプロペラで人を運ぶようになっているドローンです。 創業者が2人もの友人をヘリコプターの事故で亡くしたということがきっかけに、本気でドローン開発に乗り出したということから生まれたこのEhang 184。スペック及び開発の詳細は以下です。 連続飛行可能時間:23min コスト:2,400万〜 3,600万円(200~300K USD) 充電時間:フルにするのに2時間 時速:117km (73 miles/h) 搭載可能積量:104kg (440 pounds) 実は飛ばないんじゃないか疑惑が方々で持ち上がっていますが(笑)すでに中国の広州市で50-60回もの無人飛行テストを済ませているということです。CESのブースで映し出されていた以下の動画に大都市の上空をこのEHang 184が飛んでいる様子がありますが、もちろんこのシーンはイメージ動画。まずは規制の緩い中国で十分にテスト飛行を行い、USなどに進出したいとのことでした。 また、現在充電時間に2時間かかるというのはかなり負担ですが、現状電気自動車に利用されているような仕組みを活用すれば、近い将来30分ほどまで縮められるはずということでした。 機内に設置されているこちらのようなタブレット画面で飛行経路を設定し、ドローンですからもちろん飛行中は操縦するのではなくプログラムされた通りに動くのに身をまかせるということになっています。 これを周囲に見せると「自動運転のドローンに身を任せるなんて・・・」と多くの方が恐怖を口にしますが(そしてそれもわからなくはないですが)現在、飛行機や電車に乗る際に「自分が操縦できないから不安」という人はいないでしょう。こういった移動手段が信用に足るという実績が出てこれば、ドローンでの移動も気軽に受け入れられる日がやってくるのだと思います。 現在2,400万〜 3,600万円かかるというコストも、最終的には高級外車レベルの価格提供が可能なレベルまで下がるとよいですね。(駐車場とかどうなるんだろうとか、諸々気になりますが。笑) ドローンの圧倒的シェアを誇るDJI ちなみに、世界のドローン市場のシェアNo.1をとる圧倒的リーダー、中国のDJI社のブースは巨大で賑わっていました。昨年夏時点で米国連邦航空局FAAが認可したUSでのドローン飛行の7割はDJI社のものだったそうですし、ドローン業界における中国の勢いはかなりのものがあります。 安全性追求の変わり種ドローンFleye また、おまけとして変わり種をご紹介すると、右のような扇風機を下に向けたような形状のドローンFleyeを発見しました。こういった形状をしている理由としては、「安全性」が理由とのこと。 最近、自分の後をついてくるドローンやウィンタースポーツなどのスポーツをする際に後を追跡してカメラで写せるLilyというドローンがでてきいていますが、このFleyeもそばを飛ぶケースを想定しているようです。(Fleyeサイトからの参考動画)その際にプロペラが当たって落下しないように設計されているとのことでした。 ドローンは通常、風や砂埃に弱いため、そういった風の影響も受けにくくなっているのかと質問したところ、むしろ風には弱いとの回答。ボディ部分が覆われている分、側面が風の影響を受けやすくなっているそうです。 ドローンの可能性 ドローンは、今まさに、新しい形状、新しい目的のためのドローンなど、数々のイノベーションが起こっている真っ最中の分野です。点検/セキュリティ・農業・郵送・上空からの撮影・・・など多くのB2Bの領域での活用が期待されている中、上記のようなドローンの新しいアイディアに触れ、この分野での可能性を大きく体感する機会となりました。 日本では、ドローンにまつわる事件や規制の話ばかりが大きく取り上げられていますが、リスクだけでなく、こういった革新的アイディアからドローンのもつ可能性にも人々の理解が深まればよいなと思います。 動画:YouTube Re/codeチャンネルより EHANG 184 Launch Video from CES2016 Tweet Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。 Prev Blog 2016年2月1日
CESレポート(2): ヘリコプタードローン「Ehang 184」の登場
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CESレポート第2弾です。ドローンもCESで大きく盛り上がっていた領域の1つでした。
ヘリコプタードローンEhang 184
中でも大きな注目を集めていたのは、中国のEhang社が作ったEhang 184というヘリコプターのようなドローンです。以下のように、8つのプロペラで人を運ぶようになっているドローンです。
創業者が2人もの友人をヘリコプターの事故で亡くしたということがきっかけに、本気でドローン開発に乗り出したということから生まれたこのEhang 184。スペック及び開発の詳細は以下です。
実は飛ばないんじゃないか疑惑が方々で持ち上がっていますが(笑)すでに中国の広州市で50-60回もの無人飛行テストを済ませているということです。CESのブースで映し出されていた以下の動画に大都市の上空をこのEHang 184が飛んでいる様子がありますが、もちろんこのシーンはイメージ動画。まずは規制の緩い中国で十分にテスト飛行を行い、USなどに進出したいとのことでした。
また、現在充電時間に2時間かかるというのはかなり負担ですが、現状電気自動車に利用されているような仕組みを活用すれば、近い将来30分ほどまで縮められるはずということでした。
機内に設置されているこちらのようなタブレット画面で飛行経路を設定し、ドローンですからもちろん飛行中は操縦するのではなくプログラムされた通りに動くのに身をまかせるということになっています。
これを周囲に見せると「自動運転のドローンに身を任せるなんて・・・」と多くの方が恐怖を口にしますが(そしてそれもわからなくはないですが)現在、飛行機や電車に乗る際に「自分が操縦できないから不安」という人はいないでしょう。こういった移動手段が信用に足るという実績が出てこれば、ドローンでの移動も気軽に受け入れられる日がやってくるのだと思います。
現在2,400万〜 3,600万円かかるというコストも、最終的には高級外車レベルの価格提供が可能なレベルまで下がるとよいですね。(駐車場とかどうなるんだろうとか、諸々気になりますが。笑)
ドローンの圧倒的シェアを誇るDJI
ちなみに、世界のドローン市場のシェアNo.1をとる圧倒的リーダー、中国のDJI社のブースは巨大で賑わっていました。昨年夏時点で米国連邦航空局FAAが認可したUSでのドローン飛行の7割はDJI社のものだったそうですし、ドローン業界における中国の勢いはかなりのものがあります。
安全性追求の変わり種ドローンFleye
また、おまけとして変わり種をご紹介すると、右のような扇風機を下に向けたような形状のドローンFleyeを発見しました。こういった形状をしている理由としては、「安全性」が理由とのこと。
最近、自分の後をついてくるドローンやウィンタースポーツなどのスポーツをする際に後を追跡してカメラで写せるLilyというドローンがでてきいていますが、このFleyeもそばを飛ぶケースを想定しているようです。(Fleyeサイトからの参考動画)その際にプロペラが当たって落下しないように設計されているとのことでした。
ドローンは通常、風や砂埃に弱いため、そういった風の影響も受けにくくなっているのかと質問したところ、むしろ風には弱いとの回答。ボディ部分が覆われている分、側面が風の影響を受けやすくなっているそうです。
ドローンの可能性
ドローンは、今まさに、新しい形状、新しい目的のためのドローンなど、数々のイノベーションが起こっている真っ最中の分野です。点検/セキュリティ・農業・郵送・上空からの撮影・・・など多くのB2Bの領域での活用が期待されている中、上記のようなドローンの新しいアイディアに触れ、この分野での可能性を大きく体感する機会となりました。
日本では、ドローンにまつわる事件や規制の話ばかりが大きく取り上げられていますが、リスクだけでなく、こういった革新的アイディアからドローンのもつ可能性にも人々の理解が深まればよいなと思います。
動画:YouTube Re/codeチャンネルより EHANG 184 Launch Video from CES2016