http://www.crowdinfo.jp/2014/02/02/world-crowdsourcing-service/

失敗しないクラウドソーシング採用のコツ


クラウドソーシングは本当に使い物にならないのか?

海外では登録者数も右肩上がりのクラウドソーシングですが、「クラウドソーシングは受注者の質が低い」「仕上がりが悪く使い物にならない」そんな話を聞くことがあります。

私は、ちょくちょく自費でクラウドソーシングを活用し、インド人やフィリピン人などのリサーチャーや翻訳家を採用してきました。用途としては、ブログで取り上げるテーマの深掘りリサーチ、カンファレンスの事前準備のためのリサーチ、翻訳サポート、などなど。

クラウドソーシングを利用し始めた当初は、多くの痛い経験をし、出来上がりの質が低い、期限に仕上がってこない、など・・・がっかりすることもありました。しかし、いろいろと模索した結果、ようやくここ数年「クラウドソーシングは適切に採用すれば良いアウトプットが得られる」と自信を持って言えるようになりました。今回は、その採用のコツをお伝えします。

ハズレのない採用プロセス

私がメインで使っているのはUpWorks(元oDesk)。クラウドワークスなどの日本のクラウドソーシングも利用したことがありますが、国内のものはB2B向けの色が濃く、私のように個人が個人を採用するといったニーズに合わないことが多いので、UpWorksを愛用するに至っています。そこで、今のところベストだと感じている採用ステップをご紹介します。

Step 1: 優秀な「発注者」を探しだす作業

やりたいことは採用すること。ところが、まずは「仕事を探す」 受注者用のページにいき、似たような仕事を投稿しているJob Postingがないか検索します。中でも「目的」「用件」など Briefがきちんと書けているものを探します。

Step 2: Step1の優秀な発注者が満足した受注者を探す作業

見つかったら、その発注者たちが過去に採用している人の履歴をくまなく洗い出します。その中で、2回以上繰り返し採用している受注者がいれば、その名前を集めます。

Step 3: すでに一定基準を満たしている人のみに絞って募集

ここでようやく、自分の募集をかける段階です。募集内容を非公開で投稿し、上記Step2でリストアップした人たちに応募を促す招待メッセージを送ります。

Step 4: 過去の関連分野での実績をもとに採用判断

採用プロセスの一環として、それぞれに、関連する過去のレポートを提出してもらいます。すでに、過去似たような仕事をしているので、同じようなトピックでの実績を証明してもらいやすい状況です。機密情報が含まれているので提供できないと言われた場合には、その分野の知識を確かめるために面接をします。

上記採用プロセスのメリット

最初のうちは私も、よくあるように、一般公開で広く募集するJob Postingを出し、応募した後数時間で何十件もの応募が集まる中、一人一人のチェックをして、過去の評価のスコアや、合計稼働時間(経験の多さ)から採用していました。

実際、UpWorksなどの海外のクラウドソーシングは日本のものに比べ、受注者の登録数も圧倒的に多く、Job Postingに対する応募も短期間で膨大な数が集まります。だからこそ、採用にかなりの手間がかかるのですが、雇ってみると当たり外れも多く、なかなかうまくいかなかったのです。

そこでこういったプロセスに変えて、一気にストレスも軽減され、採用もハズレが減りました。この方法の良さをまとめると以下です。

  • そもそも、「質の高い発注者が2度目も依頼したいと思った人」という基準を満たしている人たちなので、レベルがある程度保証されている
  • 過去、似たような分野での仕事を経験済みなので、基本的な知識が備わっている
  • レベルにばらつきのある大量の応募に目を通す必要がなく、厳選された中からの採用になるので、採用プロセスにかける時間や手間が大きく軽減される

これは、私自身が試行錯誤して行き着いた採用方法です。もしも、クラウドソーシングでは質の高い受注者に出会えない!と思われている方がいれば、ぜひ一度試してみてください。

 

参考        画像:http://www.crowdinfo.jp/2014/02/02/world-crowdsourcing-service/


Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。