ウェアラブル戦争、主力3製品の比較から読みとく、今後のトレンドとは? ウェアラブルデバイス Tweet 先日、2月14日にFitbit Forceがソフトバンクから新販売になりました。USでのウェアラブルでバイスの状況を見ていると、昨年末から各社アップグレードが相次いでいます。ということで、新発売となったFitbit Forceや今後日本でも発売になるであろうJawbone UP24を含め、主力な3ブランドの機能を比較してみました。 大きくいうと機能や価格の比較は以下です。 Fitbit Force 先週金曜日からソフトバンクを通して発売となったFitbit Forceですが、機能的には最もバランスが取れていて良い製品だと思います。時計も見やすく、バッテリーの持ちもいい、にも関わらず他社製品より若干安いのです。 なによりもすごいのは、この2月からFitbit ForceCaller IDが搭載されるというこのニュース。これは電話がかかってきたときにバイブレーションで知らせてくれる機能です。(iOSのみ対応) このモデルで唯一残念なのは、防水機能がついていないということ。前モデルFitbit Flexにはついていた防水機能がなぜダウングレードしたのかとユーザーから指摘されています。おそらく時計機能を付けたことによる影響かと思われますが、水泳やシャワーのたびに外さなくてはならないのはマイナスですね。 日本では、ソフトバンクに月額500円を支払わなくてはいけないという価格設定。ウェアラブルデバイスはネット接続や電話回線の使用が必要なものではないので、正直このソフトバンクへの月額支払いは大いに疑問です。Fitbit Forceを使い続ける限り、携帯の契約もソフトバンクにしばられるという矛盾。(そこが先方の狙いなんでしょうが)この製品を購入される場合には、USからの購入をオススメします! Nike FuelBand SE Nike FuelBand SEの差別化ポイントは、スポーツログの部分にあります。とにかく、楽しくエクササイズを続けられるようにするための工夫が抜きん出ています。 まず、Nike+ともつながり、Fuelポイントを共通で使用できるようになっています。フィットネスで目標を達成すると使用したFuelポイントに応じてトロフィーがもらえたりと、日々のエクササイズを頑張れるようにゲミフィケーションで応援してくれるのです。 さらにはFacebookへの連携で友人とつながれるソーシャル機能もNikeが力をいれている部分でしょう。Facebookの友達がFuelBandを使っていると、それぞれのFuelポイントを教えてくれるという画期的な機能。まわりが頑張っているのが見えるので、自分もがんばらないと!という気分になって、モチベーションがあがるのです。 欠点はやはりバッテリーの持ち。Fitbit ForceやJawbone UP24が7日ほど持つのに対して、4日というのは短すぎるような気がします。 また、対応はiOSのみで、Adroidアプリは現在開発中とのことです。 Jawbone UP24 Jawbone UP24はまだ日本未発売の製品です。なんと待ち望まれているBluetooth機能が搭載されています。(ちなみに、Fitbit Force、Nike FuelBand SEは既にBluetooth機能搭載済み) つまり、日本で現在発売されているモデルであるJawbone UPは、いちいちスマホにつなげないとログがアプリにアップデートされないのに対し、UP24ではワイヤレスでリアルタイムにログがアプリに更新されるのです。個人的にJawbone UP利用者として、この点が最も煩わしかったので、この前進は評価します! また、 前モデルからそうですが、Jawboneの強みは睡眠にあります。 Nike FuelBand SEが睡眠のサイクルなどは測れないのに対し、Jawboneは睡眠のサイクルと質を計れます。朝、起きる際には、起床予定時刻の前のレム睡眠(浅い眠り)のときにバイブレーションで起こしてくれるスマート目覚まし機能がついています。日中もお昼寝する際に使うパワーナップ機能で、自分の眠りのサイクルで起こしてくれます。 質の良い眠りにこだわるひとには、嬉しい機能ですよね。(日本発売中のJawbone UPも同機能付き) まとめ 各社、どんどん機能の追加をしてきている中、今後のウェアラブルデバイスがどのように進化していくのか本当に楽しみですね!それぞれの強みからオススメをひとことで言うなら、以下でしょうか。 飽きっぽい自分を鼓舞して楽しくエクササイズしたいスポーツ派には、Nike FuelBand SE スマートアラーム機能を駆使して、質の良い眠りを追求したい人には、Jawbone UP24 トータルバランスで選ぶなら、Fitbit Force これらの動きを見ていると、マーク・アンドリーセンが2011年に「ソフトウェアが世界を食い尽くす」と言ったことが、実にこの数年間ですごいスピードで起きているのを感じます。 ウェアラブルデバイスの戦いで鍵となるのはソフトウェアです。デバイスの普及によってとれる膨大なライフログを活用し、次世代の事業へのつなげることができるからです。つまり、近年急成長するウェアラブルデバイス市場でシェアをとるのは誰なのか、より多くのライフログを握るのは誰なのかが、次の10年の勝敗を分けるのです。 日本からも、テレパシー(Google Glassの競合となる「Telepathy one」を開発中)や、ログバー(指輪型ウエアラブル「Ring」を開発中)が新たに注目を集めていますが(上記のライフログをとるデバイスとは製品特徴が異なりますが)、今のところ実用化されているウェアラブルデバイスの市場ではUS企業が圧倒的に優勢です。 ハードウェアに強い日本が、このウェアラブルデバイスの競争に負けず、ソフトウェアの時代でも生き残ることができるのでしょうか。今後の動向から、目が離せません。 後日追記:どうやらFitbit ForceはUSで、一部のユーザーに肌トラブルが起きているという理由で販売停止・リコールとなっているようです。(日本においても同様)いざ、US滞在中に買おうとした矢先に知り残念です・・・。 Tweet Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。 Prev Blog Next 2014年2月16日
ウェアラブル戦争、主力3製品の比較から読みとく、今後のトレンドとは?
先日、2月14日にFitbit Forceがソフトバンクから新販売になりました。USでのウェアラブルでバイスの状況を見ていると、昨年末から各社アップグレードが相次いでいます。ということで、新発売となったFitbit Forceや今後日本でも発売になるであろうJawbone UP24を含め、主力な3ブランドの機能を比較してみました。
大きくいうと機能や価格の比較は以下です。
Fitbit Force
先週金曜日からソフトバンクを通して発売となったFitbit Forceですが、機能的には最もバランスが取れていて良い製品だと思います。時計も見やすく、バッテリーの持ちもいい、にも関わらず他社製品より若干安いのです。
なによりもすごいのは、この2月からFitbit ForceCaller IDが搭載されるというこのニュース。これは電話がかかってきたときにバイブレーションで知らせてくれる機能です。(iOSのみ対応)
このモデルで唯一残念なのは、防水機能がついていないということ。前モデルFitbit Flexにはついていた防水機能がなぜダウングレードしたのかとユーザーから指摘されています。おそらく時計機能を付けたことによる影響かと思われますが、水泳やシャワーのたびに外さなくてはならないのはマイナスですね。
日本では、ソフトバンクに月額500円を支払わなくてはいけないという価格設定。ウェアラブルデバイスはネット接続や電話回線の使用が必要なものではないので、正直このソフトバンクへの月額支払いは大いに疑問です。Fitbit Forceを使い続ける限り、携帯の契約もソフトバンクにしばられるという矛盾。(そこが先方の狙いなんでしょうが)この製品を購入される場合には、USからの購入をオススメします!
Nike FuelBand SE
Nike FuelBand SEの差別化ポイントは、スポーツログの部分にあります。とにかく、楽しくエクササイズを続けられるようにするための工夫が抜きん出ています。
まず、Nike+ともつながり、Fuelポイントを共通で使用できるようになっています。フィットネスで目標を達成すると使用したFuelポイントに応じてトロフィーがもらえたりと、日々のエクササイズを頑張れるようにゲミフィケーションで応援してくれるのです。
さらにはFacebookへの連携で友人とつながれるソーシャル機能もNikeが力をいれている部分でしょう。Facebookの友達がFuelBandを使っていると、それぞれのFuelポイントを教えてくれるという画期的な機能。まわりが頑張っているのが見えるので、自分もがんばらないと!という気分になって、モチベーションがあがるのです。
欠点はやはりバッテリーの持ち。Fitbit ForceやJawbone UP24が7日ほど持つのに対して、4日というのは短すぎるような気がします。
また、対応はiOSのみで、Adroidアプリは現在開発中とのことです。
Jawbone UP24
Jawbone UP24はまだ日本未発売の製品です。なんと待ち望まれているBluetooth機能が搭載されています。(ちなみに、Fitbit Force、Nike FuelBand SEは既にBluetooth機能搭載済み)
つまり、日本で現在発売されているモデルであるJawbone UPは、いちいちスマホにつなげないとログがアプリにアップデートされないのに対し、UP24ではワイヤレスでリアルタイムにログがアプリに更新されるのです。個人的にJawbone UP利用者として、この点が最も煩わしかったので、この前進は評価します!
また、 前モデルからそうですが、Jawboneの強みは睡眠にあります。
Nike FuelBand SEが睡眠のサイクルなどは測れないのに対し、Jawboneは睡眠のサイクルと質を計れます。朝、起きる際には、起床予定時刻の前のレム睡眠(浅い眠り)のときにバイブレーションで起こしてくれるスマート目覚まし機能がついています。日中もお昼寝する際に使うパワーナップ機能で、自分の眠りのサイクルで起こしてくれます。
質の良い眠りにこだわるひとには、嬉しい機能ですよね。(日本発売中のJawbone UPも同機能付き)
まとめ
各社、どんどん機能の追加をしてきている中、今後のウェアラブルデバイスがどのように進化していくのか本当に楽しみですね!それぞれの強みからオススメをひとことで言うなら、以下でしょうか。
これらの動きを見ていると、マーク・アンドリーセンが2011年に「ソフトウェアが世界を食い尽くす」と言ったことが、実にこの数年間ですごいスピードで起きているのを感じます。
ウェアラブルデバイスの戦いで鍵となるのはソフトウェアです。デバイスの普及によってとれる膨大なライフログを活用し、次世代の事業へのつなげることができるからです。つまり、近年急成長するウェアラブルデバイス市場でシェアをとるのは誰なのか、より多くのライフログを握るのは誰なのかが、次の10年の勝敗を分けるのです。
日本からも、テレパシー(Google Glassの競合となる「Telepathy one」を開発中)や、ログバー(指輪型ウエアラブル「Ring」を開発中)が新たに注目を集めていますが(上記のライフログをとるデバイスとは製品特徴が異なりますが)、今のところ実用化されているウェアラブルデバイスの市場ではUS企業が圧倒的に優勢です。
ハードウェアに強い日本が、このウェアラブルデバイスの競争に負けず、ソフトウェアの時代でも生き残ることができるのでしょうか。今後の動向から、目が離せません。
後日追記:どうやらFitbit ForceはUSで、一部のユーザーに肌トラブルが起きているという理由で販売停止・リコールとなっているようです。(日本においても同様)いざ、US滞在中に買おうとした矢先に知り残念です・・・。