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Facebook利用者が80%減なら、プリンストン大学は絶滅の危機?


 

1月17日にプリンストン大が出した「Facebookは2017年までに80%のユーザーを失う」といったショッキングなレポートが、今話題をよんでいます。日本語でもBLOGOSHuffington Postがこの件を相次いで記事化していますね。

しかし、この話には重要なFacebookからの反論があるのをご存知でしょうか。(原文はこちら

英語での情報がタイムラグをもって広まる日本では、Facebookからの反論には、まだあまり目が向けられていませんが、こちらの方がずっと説得力があり、ウィットに富んでいて面白いので、ご紹介します。

1月24日にFacebookのデータサイエンティストたちが出したこのFacebook投稿は、またたく間に「Brilliat!」といった賞賛コメント、イイね、シェアを受け、かなりの高評価でした。そして、この投稿をみたTechCrunchのライターがその日のうちにFacebookのコメント欄で記事化することを提案(108イイねで周囲も賛同)TechCrunchに「最高に面白い反論だ」と取り上げられることとなりました。


(以下、Facebookによる反論投稿の要約)

最近のプリンストン大学のレポートはなかなか興味深かった。そこで、全く同じ手法を使って、我々もプリンストン大学について分析してみた。そうしたら、信じられない事実はわかったんだ!! 

「因果関係と相関関係は等しいもの」だとする科学原理に従って(皮肉ですねー笑)以下、FacebookのLike数を分析すると、なんとプリンストン大学は絶滅の危機にあるということになる。

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しかも、Google Scholarで、プリンストン大学からでている学術論文の数を分析すると、2009年以降は激減だ。

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とはいえ、名門プリンストン大学なのだから学生がいる限り安泰のはずだ。しかし、学生数に関しても危険信号だった。入学者数とGoogle Trendのインデックスには強い相関関係が見られた。しかし、残念ながら過去数年に渡りプリンストン大学の検索数は下降し続けている。

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1554436_10101235002137611_1432444798_n この分析が示すのは、プリンストン大学の学生数は2018年までに半分に減り、2021年には完全にゼロになるということで、これは上記の学術論文数の分析結果とも一致する。

プリンストン大学の未来も心配だが、もっと心配なのは地球の未来だ。Google Trendをみると近年「空気」というキーワードの検索が減り続けている。これは2060年には地球上から空気がなくなってしまうということを示している。

PS:まさか本気でプリンストン大学も地球上の空気も絶滅するとは思っていないよ。We love Princeton (and air). ただ、データサイエンティストとして、分析手法によっては、あり得ない結論になってしまうってことを楽しく示したかっただけさ。


どうでしょう、このウィットに富んだ見事な反論。確実に議論には勝利しつつも、決して敵を作りません。尊敬に満ちた拍手喝采を受けるのも頷けます。すぐにネガティブなトーンで感情的な批判をしてしまう私たち日本人には、学ぶべきところが多い反論術ではないでしょうか。


Author: Kazuyo Nakatani 中谷和世 Kazuyo Nakatani: 音楽大学声楽科卒業後、留学斡旋企業の営業/マーケティングを担当。その後、USへ渡り2007年にミシガン大学MBA取得。2007年〜2012年P&GにてSK-IIのマーケティングに従事する。うち3年はシンガポールに駐在。現在は東京在住、オンライン動画配信ビジネスのMarketing Directorを勤める。